下向惠子 個展
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日本には「八百万の神」という言葉があるように自然の中に多くの神々を感じてきました。 2008年から取り組んでいるMYTHOSシリーズは、8世紀に書かれた日本最古の書『古事記』からインスピレーションを受けています。 古代の人々が世界をどのように捉え、不安、怒り、喜びなどをどのように感じ、表現したのか、これからを生きる(描く)ヒントを過去から探す試みです。3.11以後、さらにこの試みの必要性を感じています。 さて、今回のギャルリーパリでの個展のテーマは「八百万の神共に咲ひき(やおよろずのかみともにわらいき)」です。物語は、スサノヲの悪しき振る舞いに堪え兼ねたアマテラスが天岩戸に籠もってしまった場面。世界は真っ暗闇で災いが起こります。なんとか出てきてもらおうと高天原の神々は思いをめぐらし考えました。そしてアメノウズメ が桶の上で踊り、魂振りをしたのでした。その踊りに八百万の神々は酔いしれ大笑いしました。(どんな踊りだったのでしょうね?)その大騒ぎを聞いてアマテラスは岩戸を開けたのでした。古事記は「笑」を「咲」の字で表しています。「再生」の意味が込められているのでしょうね。春夏秋冬、花が咲く春は再生の季節ですもの。 和紙/顔彩/樹脂膠による平面作品 約20点を展示。 目には見えないけれど確かに感じる何か大いなるものの存在(Something Great)をイメージしていただけたらうれしいです。 |
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