小川名 樹(115期)/東京藝術大学・漆芸専攻

東京芸術大学 大学院工芸科 漆芸専攻 1年在籍
私は東京に 1人で住んでいる。街に出れば人が溢れ、何十メートルもあるビルが立ち並ぶ。巨大な街の中に人々 はひとつの大きな群れと化す。そんな街を見ていると、どうも個人というものがないように思えてくる。 新たな時代を迎えた日本では、技術やテクノロジーがあらゆる問題を解決してきた。そんな中で、新しい問題 も露呈してきた。大学や会社、あらゆる社会的集団の中に属して生きる私達は、どうやって個人を確立すればい いのだろうか。個人の尊重が様々なところで叫ばれている。 長らく工芸は人々の暮らしの中にあり続けた。食器や家具を通して、生活に生活以上のものを与えてきた。しかし工業製品が生まれてから、世の中にはプラスチックの大量生産品があふれ、工芸の居場所は生活から美術の 分野に移った。日本の生活は工芸を失った。
IT とテクノロジーの時代に、伝統と工芸は世界に何を与えられるのだろうか。美術工芸という視点から、日本と人々を考える

2021年03月26日|専攻:美術|専門:東京藝術大学・漆芸専攻