野中 美奈(115期)/神奈川大学・建築科

神奈川大学工学部建築学科 在籍
建築は不思議なものだ。ただの建物ではあるが、見方を変えれば建築は生きている。建築を一定とすれば自然 現象は不と言える。その不定を私たちは目にすることが出来る。風は水面の水を撫で、木の葉を踊らせる事で その存在を私たちに示す。光は様々なものに反射してその存在を明確にする。太陽から射す光は季節によって顔 が変わる。そのような不定たちを建築は自身と結びつける。建築は自然現象を翻訳することが出来るのだ。また、 不定であるのは自然現象だけではない。その場所に足を運ぶ人にも同じことが言える。訪れる人は必ずしも永久 に同じではないのだ。その場所に訪れる人によっても建築は形成されていく。私が設計する上で心がけているこ とは、一定でもあり不定でもある建築を設計するようにしていることである。 不定である建築を作るには空間に空白が必要である。空間に壁などの仕切りが存在してしまうとそこには固定 した空間が生まれてしまう。固定した空間が生まれてしまうと用途が限定されてしまう。そして、個人化が進む 現代では人との関わりが制限されてしまうだろう。縛られた空間を解放し、人とのふれあいを生み出すためにも 空白の空間は必要なのだ。しかし、この不定な空間によって人々の動線が絡み合ってしまうだろう。動線が混雑 してしまうといくら外観が素晴らしい建築でも機能面で見てみれば素晴らしい建築とは言えない。そのような事 にならないように私は設計する時、常に人々の動線について焦点を置いている。自分が実際にその建築に足を運 んでみて自然な流れで行動できるか、そして、ここに来てよかったと思えるか。それを考えながらアイデアを思 い浮かべる。実際に存在していてもおかしくないような建築を設計できたときは心から嬉しい。 不定な建築というものは周辺と調和していないといけないと私は考える。その場所だけ浮いてしまうような建 築は一定な建築になってしまうだろう。空白の空間、人々の動線、周辺との調和。この 3 つが絶妙なバランスで 成り立ち合えば私の作品が完成するのである。

2021年03月30日|専攻:美術|専門:神奈川大学・建築科