歴史資料委員会、横須賀高校、小田原高校を訪問
(1)
神奈川県立横須賀高等学校「校史資料室」訪問記
平成23年5月14日 歴史資料委員会 永森邦雄(50期)記
今年発生した台風第1号の影響で、5月12日は生憎の雨、幸い地元横須賀居住の中村氏
(58期…歴史資料委員会)の車に同乗させてもらい、集合場所の衣笠駅から横高へ向かう。
参加者は、ほかに歴史資料委員会所属の松本氏(通信第1期)、それに予てから御要望の
あった県立小田原高等学校同窓会から歴史資料委員会副委員長石井敬士氏の4人。
本館で校長の諏訪部氏、事務長の馬場氏の出迎えをいただき、セミナーハウス「記恩館」の
説明会場に案内され、会場で同窓会「朋友会」会長松生氏、副会長今成氏、同じく副会長
上田氏の3氏をご紹介いただいた。
説明会場では、まず諏訪部氏から横須賀高校教育の現状について、配布された多くの
資料による迫力に満ちた説明をいただいた。さすが、ノーベル賞受賞者(小柴昌俊先生)、
総理大臣(小泉純一郎元首相)、オリンピック金メダリスト(猪熊功氏)を輩出した、
全国でも唯一の学校、その教育内容は、世界に雄飛する人材を育てようとする気概に満ちた
ものと拝察した。
県立横須賀高等学校は、明治41年「神奈川県立第4中学校」として開校、平成20年100周年を
迎えた、鎮守府が置かれていた土地柄から、戦前の同校卒業者には海軍兵学校への進学者が多く、
日本の敗戦による受けた影響は、極めて深刻なものであったと伺った。
同窓会と校史資料室の説明は、資料室拝見後とすることで、松生氏ら3氏のご案内で校史資料室へ、
資料室の規模は、母校とほぼ同じ、資料収蔵室兼作業室を展示室と区分した機能的なレイアウトである。
まだ未完成とのお断りがあったが、校史年表はカラー印刷で見易く、戦艦長門に乗艦した戦前の
修学旅行の写真が珍しい。資料室は、小柴、小泉、猪熊3氏のコーナーが中心に演出されており、
なかでもニュートリノの説明が丁寧になされていて、資料室でも諏訪部校長から説明を受けた
横須賀高校教育の現状同様にハイレベルのものであった。
資料室見学を終えて校長室で懇談、震災にも戦災にも合わなかった横須賀高校だが、終戦時に学校の
資料を大量に処分したため資料が少ない。資料発掘が資料室の課題になっているとのことであった。
平沼、小田高、横高と資料室の共通の課題があることも話題に上った。今回の訪問によって、県立高校の
歴史資料室の情報交換の場が生まれることを期待し、諏訪部校長先生、松生朋友会会長はじめ3氏の、
おもてなしに心から感謝を申し上げて、横須賀高校を辞した。
(2)神奈川県立小田原高等学校「校史展示室」訪問記
平成23年11月30日
歴史資料委員会 永森邦雄(50期)記
小田高同窓会の緊急企画『小田原と「坂の上の雲」講演と見学会』が開かれ、同校同窓生
以外の参加も大歓迎との情報をいただき、11月23日(水・祝日)同校への訪問が実現した。
この日はまず、【小田原と「坂の上の雲」】と題する同校卒業生関口茂雄さんの講演を
視聴覚教室で拝聴後、「至誠無息」…山縣有朋書、「堅忍不抜」…東郷平八郎書の校訓扁額、
東郷平八郎揮毫の巨大な忠魂碑、「鎮遠」(清国の戦艦…勝利により日本に帰属)の鐘など
校内に残る歴史遺産について説明を受け、校史展示室を見学した。
展示室は明治期、大正期など時代に応じて学校の施設や教育活動の様子が展示されているほか、
小説家の尾崎一雄氏、川崎長太郎氏、蟹博士の酒井恒氏、政治家の河野一郎氏、山田太一氏などを
紹介した「卒業生の活躍」コーナーもあり、写真パネルのほか造りつけのショーケースが多く、
教育活動に伴う印刷物などの実物多数や横山大観の画が陳列され、迫力のある展示になっている。
企画展コーナーには、乃木将軍から初代校長吉田庫三氏に宛てた「110年前の開校を祝う書簡」と
「金州城外立斜陽」で有名な詩をしたためた葉書が展示されていて、見学者の注目を集めていた。
見学会終了後は、展示室に続く資料整理室(同窓会事務室)で、仮野委員長さん小野会長さんから
校史展示室の関連事項についてご説明をいただき資料保管室(文書等)、資料保管室(物品)、
教材展示室などを拝見させていただいた。資料はいずれも整然と整理されて、質の高い運営がなされて
いると拝見させていただいた。事務局員の配置、電話の設置などのほか、校史展示室の入場者をいかに
伸ばしていくかなどが課題とのことでした。
小田原高校は、旧小田原藩の藩校集成館の流れを汲む学校で、その歴史は横浜所在の諸学校を
しのぐものがあり、今回の訪問は小田原文化の蓄積と小田原高校の伝統の重さを改めて認識する、
有意義な訪問となった。
今回真澄会からの参加者は、山口前会長、鈴木会長、地葉副会長(歴史資料委員会担当)、
歴史資料委員会から舘委員長、松本、永森の6名で、小田高同窓会側からは滝口前会長、小野会長、
国分副会長(資料委員会担当)、仮野資料委員会委員長、石井資料委員会副委員長、畠山広報委員会委員長など
多数の役員の方々のお出迎えを頂いた。また諸説明終了後は前記の方々に加え、多数の役員の方々との懇親会にも
ご一緒させていだいた。ご丁重かつ温かなおもてなしに対し、この訪問記の紙上を借りてお礼を申し上げます。
(1)
神奈川県立横須賀高等学校「校史資料室」訪問記
平成23年5月14日 歴史資料委員会 永森邦雄(50期)記
今年発生した台風第1号の影響で、5月12日は生憎の雨、幸い地元横須賀居住の中村氏
(58期…歴史資料委員会)の車に同乗させてもらい、集合場所の衣笠駅から横高へ向かう。
参加者は、ほかに歴史資料委員会所属の松本氏(通信第1期)、それに予てから御要望の
あった県立小田原高等学校同窓会から歴史資料委員会副委員長石井敬士氏の4人。
本館で校長の諏訪部氏、事務長の馬場氏の出迎えをいただき、セミナーハウス「記恩館」の
説明会場に案内され、会場で同窓会「朋友会」会長松生氏、副会長今成氏、同じく副会長
上田氏の3氏をご紹介いただいた。
説明会場では、まず諏訪部氏から横須賀高校教育の現状について、配布された多くの
資料による迫力に満ちた説明をいただいた。さすが、ノーベル賞受賞者(小柴昌俊先生)、
総理大臣(小泉純一郎元首相)、オリンピック金メダリスト(猪熊功氏)を輩出した、
全国でも唯一の学校、その教育内容は、世界に雄飛する人材を育てようとする気概に満ちた
ものと拝察した。
県立横須賀高等学校は、明治41年「神奈川県立第4中学校」として開校、平成20年100周年を
迎えた、鎮守府が置かれていた土地柄から、戦前の同校卒業者には海軍兵学校への進学者が多く、
日本の敗戦による受けた影響は、極めて深刻なものであったと伺った。
同窓会と校史資料室の説明は、資料室拝見後とすることで、松生氏ら3氏のご案内で校史資料室へ、
資料室の規模は、母校とほぼ同じ、資料収蔵室兼作業室を展示室と区分した機能的なレイアウトである。
まだ未完成とのお断りがあったが、校史年表はカラー印刷で見易く、戦艦長門に乗艦した戦前の
修学旅行の写真が珍しい。資料室は、小柴、小泉、猪熊3氏のコーナーが中心に演出されており、
なかでもニュートリノの説明が丁寧になされていて、資料室でも諏訪部校長から説明を受けた
横須賀高校教育の現状同様にハイレベルのものであった。
資料室見学を終えて校長室で懇談、震災にも戦災にも合わなかった横須賀高校だが、終戦時に学校の
資料を大量に処分したため資料が少ない。資料発掘が資料室の課題になっているとのことであった。
平沼、小田高、横高と資料室の共通の課題があることも話題に上った。今回の訪問によって、県立高校の
歴史資料室の情報交換の場が生まれることを期待し、諏訪部校長先生、松生朋友会会長はじめ3氏の、
おもてなしに心から感謝を申し上げて、横須賀高校を辞した。
(2)神奈川県立小田原高等学校「校史展示室」訪問記
平成23年11月30日
歴史資料委員会 永森邦雄(50期)記
小田高同窓会の緊急企画『小田原と「坂の上の雲」講演と見学会』が開かれ、同校同窓生
以外の参加も大歓迎との情報をいただき、11月23日(水・祝日)同校への訪問が実現した。
この日はまず、【小田原と「坂の上の雲」】と題する同校卒業生関口茂雄さんの講演を
視聴覚教室で拝聴後、「至誠無息」…山縣有朋書、「堅忍不抜」…東郷平八郎書の校訓扁額、
東郷平八郎揮毫の巨大な忠魂碑、「鎮遠」(清国の戦艦…勝利により日本に帰属)の鐘など
校内に残る歴史遺産について説明を受け、校史展示室を見学した。
展示室は明治期、大正期など時代に応じて学校の施設や教育活動の様子が展示されているほか、
小説家の尾崎一雄氏、川崎長太郎氏、蟹博士の酒井恒氏、政治家の河野一郎氏、山田太一氏などを
紹介した「卒業生の活躍」コーナーもあり、写真パネルのほか造りつけのショーケースが多く、
教育活動に伴う印刷物などの実物多数や横山大観の画が陳列され、迫力のある展示になっている。
企画展コーナーには、乃木将軍から初代校長吉田庫三氏に宛てた「110年前の開校を祝う書簡」と
「金州城外立斜陽」で有名な詩をしたためた葉書が展示されていて、見学者の注目を集めていた。
見学会終了後は、展示室に続く資料整理室(同窓会事務室)で、仮野委員長さん小野会長さんから
校史展示室の関連事項についてご説明をいただき資料保管室(文書等)、資料保管室(物品)、
教材展示室などを拝見させていただいた。資料はいずれも整然と整理されて、質の高い運営がなされて
いると拝見させていただいた。事務局員の配置、電話の設置などのほか、校史展示室の入場者をいかに
伸ばしていくかなどが課題とのことでした。
小田原高校は、旧小田原藩の藩校集成館の流れを汲む学校で、その歴史は横浜所在の諸学校を
しのぐものがあり、今回の訪問は小田原文化の蓄積と小田原高校の伝統の重さを改めて認識する、
有意義な訪問となった。
今回真澄会からの参加者は、山口前会長、鈴木会長、地葉副会長(歴史資料委員会担当)、
歴史資料委員会から舘委員長、松本、永森の6名で、小田高同窓会側からは滝口前会長、小野会長、
国分副会長(資料委員会担当)、仮野資料委員会委員長、石井資料委員会副委員長、畠山広報委員会委員長など
多数の役員の方々のお出迎えを頂いた。また諸説明終了後は前記の方々に加え、多数の役員の方々との懇親会にも
ご一緒させていだいた。ご丁重かつ温かなおもてなしに対し、この訪問記の紙上を借りてお礼を申し上げます。