二宮玲子さん(75期)音楽担当 映画『囁きの河』
映画『囁きの河』音楽担当:二宮玲子さん(75期)
〜失われた居場所と向き合い、希望をつなぐ物語〜
熊本豪雨の被災地を舞台に、「失くした居場所を取り戻すまで」を描いた映画『囁きの河』が、2025年6月下旬より全国で順次公開されます。 本作の音楽を担当されたのは、作曲家の二宮玲子さん(75期)。映画評論家・田中千世子さんも「地域に生きて行く事を、深く考えさせる映画です」とコメントを寄せています。
🎼 作曲エピソード ―「河の声を聞け」から生まれた音楽 (二宮玲子さんより)
昨年2024年の夏、音楽評論家の宮沢秋男氏のご推薦で、初めて映画『囁きの河』の大木監督にお会いしました。大木監督はどこか修行僧を思わせる雰囲気の方で、会った瞬間に若い頃に読んだヘルマン・ヘッセの小説『シッダールタ』が思い浮かびました。小説の終わりの方に、河の渡守がシッダールタに『河の声を聞け』と言う場面がありました。「あれか!」と思って、大木監督にお話ししたら、すごく嬉しそうに「そうなんです。そこからタイトルをとりました」とおっしゃられ、すっかり意気投合しました。(大木監督も高校生の頃にシッダールタを読まれたそうです)
『おしん』のプロデューサーもなさった大木監督は、戦後の復興期の日本映画のような音楽を欲してられたので、曲は全編アコースティックの楽器による録音にしました。タンゴマドンナ(バイオリン:安田紀生子、ピアノ:二宮玲子)も映画の冒頭から参加しております。そして最後にはフルートの名匠、白尾彰氏と若きハーピスト堀米綾さんによるインド古謡による音楽が朗々と歌われます。
映画『囁きの河』では、水害直後、20年ぶりに帰ってきた元船頭の父と、一人でコツコツ球磨川下りの船頭を目指す息子との葛藤、氾濫があっても球磨川と共に生きる人々の人間模様が淡々と描かれています。
�🎬 映画『囁きの河』とは
2020年の熊本豪雨のあと、20年ぶりに帰郷した元船頭の父と、球磨川下りの船頭を目指す息子。氾濫の爪痕が残る土地で、川と共に生きる人々の葛藤と再生を、静かに、力強く描く感動作です。
出演:中原丈雄、清水美砂、三浦浩一、渡辺裕太、篠崎彩奈、ほか
監督:大木裕之
音楽:二宮玲子(75期)
🕊 上映情報(一部抜粋)
【熊本】熊本ピカデリー:6月27日(金)〜 先行上映
【熊本】人吉カルチャーパレス:6月26日(木)、6月29日(土)
【東京】池袋シネマ・ロサ/シネスイッチ銀座:7月11日(金)〜
【神奈川】横浜シネマリン:8月23日(土)〜
ほか全国多数劇場で公開(北海道、東北、北陸、関西、九州など)
※詳細は映画公式サイトなどでご確認ください。
🎶 二宮玲子さんについて
作曲家・ピアニスト・音楽理論家として活躍し、オペラや交響曲から映画音楽まで幅広い作品を手がける二宮さん。
横浜平沼高校校歌の編曲も手がけるなど、母校とのつながりを大切にしながら、創造の世界を広げ続けています。
「河の声」を聴きながら、人と地域、自然のつながりに思いを寄せる映画です。ぜひ劇場でお楽しみください。

