あとがき
あとがき
創立当初の神奈川県高等女学校から現在の横浜平沼高等学校にいたるまでの百年の歴史は、もちろん50ページほどの内容では語りつくすことなどできるものではない。
「はじめに」で触れたように、本校の歴史は20世紀という時代の動きと密接に関わっており、この冊子もそのことを意識して編集されている。本校の歩みにっいてひと通り学んだ後は、それを糸口にして各自が興味を持った時代や事柄について、さらに深く学んでみることを勧めたい。
最後に、本校図書館が所蔵している学校の記録を紹介しておく。これらは、本文中に引用した同窓生や旧職員の証言の出典であるが、引用した部分はごく一部に過ぎないので、是非図書館に足を運び、手にとってみてほしい。さまざまな時代の記録を閲覧することで、時代の流れの中で移り変わったものもあれば、また脈々と受け継がれてきたものもあることに気づくことだろう。
『花橘』・…その歴史と性格については本文(18~19ページ、34~35ページ)で触れている。戦前は1910(明治43)年から1940(昭和15)年まで発行。戦後は1950(昭和25)年に復刊されて現在に至っている。
『校友時報』・『学校時報』…・1931(昭和6)年に、それまで『花橘』に収録されていた学校行事の記録の部分を分離して発行したもので、1933(昭和8)年第5号まで発行。同年『学校時報』と名称を変更し、1942(昭和17)年発行の第21号まで続いた。
『周年記念誌』・…創立10周年・20周年・30周年・40周年・50周年・70周年の記念誌は『花橘』の特集号として発行された。『八十年史』は写真と年表を主にしたもの。『創立九十周年、新校舎落成記念誌』は写真・年表・回想文で学校の歴史をたどり、真澄会(同窓会)の歩みや生徒の現況もまとめられている。『創立百周年記念誌』は、学校編と同窓会編の2冊からなる。学校編は社会や教育制度の移り変わりに沿って学校の歴史を綴ったもの。校史部分を4部構成とし、それぞれに年表を付した。そのほかに旧職員の回想や、旧職員・現職員一覧等の資料を収録した。なお、それまでに発行された周年誌の誤りを可能な限り修正してある。同窓会編は1期生から100期生までの証言・回想を収録し、真澄会の歴史、座談会等も掲載されている。それぞれの時代の同窓生の証言には興味深いものがある。
写真に関しては松島写真館によって撮影された学校創立以来の数多くの写真が保存されている。松島写真館ならびに本校卒業生でもある細水写真館には本書の作成にあたっても多大なご協力を頂いた。
副校長(当時) 益子 晋